前回の続き
「でも丁度いいわよねブライト様。」
「何が丁度なんだい?」
「今日あなたはここで…」
「ここでどうなるんだい」
「命日よ。」
「はははははははははははははは…冗談は顔だけにしろよ」
「あらおもしろかったかしら。」
「ああとってもおもしろかったさ。」
「でもどういう意味だと思う?」
「さあ。」
「じゃあこれからじっくり教えてあげるわ。」
ミルロは何をブライトに教えるのだろうか。
「私はあなたのためにあなたを倒すの。」
「全く言ってる意味が分からないなぁ。」
「さっきも言ったはずですわよ。」
「僕を倒しても何もないよ。」
「何もなくても良いの。戻って欲しいだけよ。」
ミルロが早速拳を繰り出す。
が、ブライトには届かない。
「なぜなの?」
「実はね、君の知らないうちに僕は強くなったんだ。」
「「強くなった」ですって?」
「あーそうさ。僕は強くなったんだ。これを見てもらおうか。」
「それは…」
それはブライトに力を与えているブラッククリスタルだった。
「そんなモノがあったの?」
「そうさ。…いや、作ったといった方が良いかな。」
「でも壊したら昔のブライト様に戻る可能性は高くなるのよね。」
「そいつはどうかな。僕の手を見てもらおうか。」
ブライト王子の右手にはマペットであるプーモがいた。
「僕の相棒さ。こいつに力をもらいそしてブラッククリスタルを作った。すごいだろ。」
一方逮捕に失敗したユークとかざぐるまの国の王子アウラーはなぜかクリスタルマウンテンを目指していた。
「以前気球レースでブライト王子に助けてもらったんです。」
「そうなんだ。」
「交流をするための気球レースが競争のためになってしまったのはとても残念です。」
「俺もそう思うよ。」
などと話をしながらアウラーは以前気球レースで培ったブライト王子との友情について話を尽くした。それを黙って聞く宝石の国の特別外交官。
しかしふたりがクリスタルマウンテンに向かっているのに大した理由はなかった。アウラーとユークが気球レースの話から出た駒のような感じで。
まもなくクリスタルマウンテンの麓まで来る。そこから登ろうとした時行く手を遮るように周りのクリスタルが崩れてきた。
「うわー…どう言う事だよ。ここの地質はそうそう崩れたりしないはずじゃあ」
「そうなのですか。」
「そうもなにも山自体がクリスタルだからこんな事はないんだけどなぁ。」
「あなた様はそのような事にもお詳しいのですか?」
「ちょっとかじっただけ。」
「かじる?」
「バカな事考えるなよ。前に思う所があってここの山の地質を調査したんだが、掘れないんだ。…だから掘れないくらい頑丈って事。」
「じゃあ…」
「簡単に崩れたりなんかしない。しかも我々の行く手を遮るかのように。」
「ミルロ姫、今僕たちのいる空間に部外者が入らないようにした。」
「本当に?」
「ああ本当さ。」
ブライト王子とミルロ姫がサシの勝負に入ろうとしていた時、アルテッサはただ黙ってそれを見ていたが、ここである事に気がついた。それはこの山には「水晶の天使」がいるという事。
「水晶の天使様、いるなら返事して!お兄様を元に戻して!!」
応答はなかった。
「アルテッサ、君も一緒だったのかい?」
「ちょっとなによ!一緒だったのかいってどう言う事よ!」
「ちょうどいい。これから「ふしぎ星の王」に楯突く者がどう言う事になるかをきちんと教えてあげよう。そして「ふしぎ星の王」を兄に持った事を誇りに思うが良い。」
「今のお兄様は私の知ってるお兄様なんかじゃないわ。」
「そうかい?」
「ええそうよ。」
「でも時期にいやでも君は僕を慕うようになる。」
「そんな事ありえないわ。…私のお兄様はそんなんじゃないモン!」
「じゃあ教えてあげるよ。」
ミルロが横やりを入れた。
「あきれたわ。自分の妹におびえられるって。」
「なんだと!」
「もう一度言うわよ。何があっても昔のブライト様に、私とアルテッサが知ってるブライト様に戻っていただきます。」
「なにを。」
と言いかけたその瞬間ブライトの腹部にミルロの鉄拳が飛び込む。
「うぐぅ。ミルロ姫、君という人は…」
「私はね、あなたがそうなる前から力を付ける努力をしてきたわ。本当は…城の中ばかりにいるのがいやで始めた事ですけど。でもさっきの拳、どうして効かなかったのかしら。」
「うるさい!これでも食らえ!」
ブライトがブーメランを投げつけた。ブラッククリスタルの力で殺傷力が高まっているブーメランだが…
「私のお兄様は誰にでも優しくできる人なの!そんな事しないわ!!」
なんとアルテッサはブーメランを真っ二つにしていた。以前に特訓をしていた技が功を奏していた。何故か隠し持っていた一輪のバラがブーメランを切り裂いていた。
「アルテッサ、バラはそういう事に使うモンじゃないんだよ。」
その言葉の後にアルテッサは動きがとれなくなってしまった。
「酷い人。自分の妹を水晶付けにするなんて。」
「あ゛ぁ゛?聞こえなかったなぁ。」
「もう一度聞こえるようにしゃべりましょうか。」
「ほらミルロ、今僕は誰でもこんな風に水晶付けに出来るんだ。すごいだろ。」
「聞く耳もたぬっていったところね。」
「君も時期に水晶付けにして美しく飾ってあげるよ。」
「そうね。それはふしぎ星の王になってから言ってくださらない?」
「君の場合はその格好では失礼だから、僕の思うようにドレスを着せてあげてからにするよ。」
「それは光栄ね。あこがれのブライト様のモノになるんですから。」
「そうだろ。」
「でもね、何度も言うけど、私のあこがれているブライト王子は今のあなたじゃないの。」
「なんだと?!」
「でも今のブライト様に「捧げる言葉」があるの。」
逮捕に失敗したユーク。
協力をしようとするもその努力が実らなかったアウラー。
二人はブライトの逮捕劇の舞台となるはずだったホールにあった椅子に座った。
「ブライト王子は君の所の王様になんて言ってたんだ。」
「なんて言ったかなんてもう知りません。…しかしお父様がなぜ簡単にも」
「言いにくいよな。俺の前では。」
「…はい。」
「ここのところ忙しかったんだ。」
「あなた様はいったいふしぎ星で何をしようとされているのですか。」
「あー俺か。ふしぎ星に必要だと言われて来ただけだ。何かというと…」
ユークはいつも手に持っていた書類を見せた。
「俺は…こういう技術を開発したんだが、元居た所では誰も相手にしてくれなかった。そして誰かが「ここに行け」と言った。そこに行くのになぜか宇宙船に乗る事になったんだ。そしてたどり着いたところがふしぎ星だった。」
「これは…」
「あーお日様の恵みを受けてプロミネンスと同等の効力のある力を発動させる事のできる物なんだが、それの試験をするのに各地を回りたいと言ったら宝石の国の王様アーロン様が融通を利かせてくれた。しかし今は各地の和平調停役の仕事の方が忙しくなっちゃって…そうだなぁまだ試験も終わってないし、研究も進んでない。」
「それで何をなさるのですか。」
「これでふしぎ星の各国の往き来がし易くなるような物が作れる。」
「楽しみですね。」
「もう青写真はできてるけどな。」
「応援させていただきます。」
「よせやい。ブライト王子の件がすんでからだ。でも良いのかな…」
「何がでしょうか。」
「かざぐるまの国の王族である君にこんなに友達っぽくしゃべっても。」
「構いません。」
アウラーは帽子を床においた。
ブライト王子がユークたちを巻きあるところに来た。
そこにはあの二人がいた。アルテッサとミルロだ。
「アルテッサ、あなたの言うことを信じない訳じゃないの。」
「でも信じる気なんかないんでしょ。」
「そうじゃないわ。でも私たちが見た夢はたまたま一緒だっただけなの。だって、あり得ないような気がするの。水晶の天使のこと。確かに私もあなたと一緒の夢を見たの。」
「ミルロ…」
「さあ、帰りましょう。あなたのお兄様はここにいてもやってこな…」
「どうしたのよ。」
「やあ我が妹よ。こんなところで何をしてるのかな。」
「お兄様!」
「ブライト王子お久しぶり。」
「ミルロ姫、この間のお礼をさせていただくよ。」
「ちょっとミルロ!お兄様と何があったのよ。」
「別にたいしたことじゃないの。ちょっと私のお相手をしていただいただけなの。」
「今日は君に…どういうお礼をお見舞いさせていただこうか。」
「ちょっとお兄様!」
「アルテッサ…下がってて。」
「ほーこの僕をまたどうする気かな。」
「こうするのよ!」
ミルロがドレスをはぐった。
その下はいつも自分のところのジムにいるときの格好になっていた。
「ブライト王子、これから本当の私の姿をお披露目いたしますわ。」
「そいつはおもしろい。何の策略があってまたそんなはしたない格好になったか観察させていただくよ。」
「お兄様!」
アルテッサもだんだん二人の空気を読み取り始めた。
ミルロはブライトに挑戦状を叩きつけ、
そして
ブライトはミルロの挑戦を受けたこと。
「ブライト様、今日はお相手受けていただき非常に幸せです。」
「僕にどうしてもらいたいかはよく分からないけど…プリンセスパーティーのダンスみたいにはいかないよ。」
「先に行っておきたいことだけ言っておくわ。今から私が言いたいことは…私があこがれているブライト様は昔のブライト様なの。」
「ふっ。何が言いたいか全く意味が通らないなぁ。」
「私のお母様をどうにかできても私をどうにかすることは不可能よ。」
「ミルロそれ、どういう事よ。」
「ブライト様ね、私のお母様に変な魔法をかけたの。すぐには分からなかったけど、教えてくれたのよ水晶の天使さんからもらった力が。」
「そうなの?」
「でね、水晶の天使さん私たちにくれたのは戦うために直接使えるものをくれたんじゃないのよ。」
しばらくその場に沈黙の空気がのしかかった。
「ははははっーーー!この僕を倒すのに素手でやるのかい。」
ブライトはブーメランを構えた。
「ええそうよ。…文句ある?」
ミルロが戦士の顔になった。
「こういう時ってどうしたらいいのよ!あのふたごでも何でもいいから出てきなさいよ!」
この空気に耐えきれないアルテッサ。
「でも丁度いいわよねブライト様。」
「何が丁度なんだい?」
「今日あなたはここで…」
「ここでどうなるんだい」
「命日よ。」
「はははははははははははははは…冗談は顔だけにしろよ」
「あらおもしろかったかしら。」
「ああとってもおもしろかったさ。」
「でもどういう意味だと思う?」
「さあ。」
「じゃあこれからじっくり教えてあげるわ。」
「お父様の馬鹿やローー」
とてもすがすがしくない朝が始まった。
風車の国の王子アウラーである。
とてもまじめで剣の腕のたつ剣士でもある。
何があったかは不明であるが、アウラーは徹夜で国王ランダと話をし続けていた。そして飛び出した。なぜなら国のため案じている自らの意見を飲まず「よそ者」であるブライト王子の意見を信用してしまったからである。たとえそれがかざぐるまの国にとって優位な意見であってもそれはよそ者が決めることではない。国王がそれをやってしまったのがアウラーを憤慨させた理由である。
そんなアウラーがなぜか聞いてしまった情報。
それが「ブライト王子の逮捕」であった。
アウラーは集められるだけの兵を集めあるところへ向かった。
それはユークたちがすったもんだの段階にすら達していないメラメラの国の某所である。
「突撃!」
いきなりアウラーは命令を下した。
これを見ただけではかざぐるまの国がメラメラの国へ侵攻しにきたとしか思えない状況である。
短時間でなぜこれだけの情報を集めそしてブライト王子がそこにいるのかを突き止めたのか。
それはわからない。いくら真面目と言ったところでそれがなし得るわけではない。
アウラーの僅かばかりの兵は重い戸をぶち破り階段を駆け上り護衛を打ち負かした。
そしてアウラーは目的の場所にたどり着いた。
「宝石の国の特別外交官ユーク殿!かざぐるまの国の王子このアウラーがブライト王子の逮捕の協力にはせ参じた!!今から身柄を確保する。ブライト王子、そこに直れ!かざぐるまの国の王子を侮辱した罪も償ってもらう!」
悪い風にびっくりしたユーク。
「あちゃー…もうちょっと待ってからにしようと思ったのに。その前にアウラー君なぁ…」
と独り言を言いつつ
「これはかたじけない。…ブライト王子、早速でなんだが第二回ブライトカーニバルは中止させてもらうよ。これを見たまえ。」
とうとうユークが魔法を発動させる時が来た。
宝石の国国王直筆「ブライト王子の逮捕状」。
「はははは。」
「何がおかしいブライト王子!」
「我が親友アウラー、僕は飼い犬に手をかまれたよ。」
「誰が飼い犬だ。誰が!」
「ユーク殿、君はとてもよく働いてくれてる。しかし今日の仕事に採点を付けるわけにはいかないよ。」
「そんな必要はありませんブライト王子、これはあなたのお父様直々にいただいた命令ですから。」
「僕はね、将来ふしぎ星を背負って立つ実力者なんだよ。」
「寝言は寝てからの方がいいですよ。王子。」
「ユーク殿、君は分かってない。」
「何がですか。」
「そもそもあなたはふしぎ星の住民ではなかったはずだ。他の星からやってきてなぜか父上に「特別外交官」なんて地位をもらっている。」
「不満ですか。」
「ああ。今はとっても不満さ。」
「正直な話、私があなたを逮捕すると言ったからなんでしょ。それは。」
「それが違うかどうかは…アウラー王子。君に任せるよ。」
「私がそれに答える義務はない。ユーク殿、逮捕を!!」
一息おいてユークはそれに答えた。
「宝石の国の王子ブライト、国外政策干渉遂行罪にて宝石の国の国王アーロン王の任命により同特別外交官ユークが身柄を確保する!」
ブライト王子はおとなしくそれに応じる格好を取った。
「しかし逮捕したければこの私を倒すことだ!」
その次の瞬間あたりは闇に包まれてしまい、身柄確保に失敗した。
はいもしもし、えっ?「リリカルなのかよ!」はいつ放映開始するんですかって?
いやね、ちょっとに詰まっちゃてるんですよ。正直な話ね。
山下教授と言うところまではよかったんですけど、…いろいろ考えてたんですよ。そしたらね、考えたネタ全部忘れちゃったって言うのか原稿お釈迦にしちゃったんですよ。そしたらほかにいろいろとネタ書き込みし始めたでしょ…だからなんですよ。それにリリカルなのはもう最終回だから落ち着いて見届けようって言うことに至ったわけですよ。
なんですか?ちょっと待って。リリカルなのはで話し振って来たのあなたでしょ。もう切りますよ。深夜なんでもう電話かけないでくださいね。
はいもしもし、まともにふたご姫の感想書いてくださいやと?そんなん他に任せといたらええねん。えっ?あの人のブログが閉鎖?あーそうなんですよ。今日知ったんでびっくりですよ。あり得ないでしょ。だからってとてもふたご姫のレベルが下がったから閉鎖したってことは考えられないですけど、えっ?「なのは」が「なの派」で漢字変換されるからどうしたらええんですかって?どうでもええでしょ。もー切るで。
はいもしもし、すいませんけど今日は…えっ?メラメラチャーハン一丁?
うちはラーメン屋じゃない!!って言うか知らんがな。
…すいませんねぇ、変な電話ばっかり掛かってくるんですよ。
で、これからこの「ふたり姉貴」の話進行についてですが…なんですか?早めに切り上げた方がいい?「なのは」の最終回前までにすませた方がいい?
あのなあ、君らそろってなんで「なのは」とか言うてるわけ?さっきかかってきた電話、二件ともなぜか「なのは」。勢い的には「スターライト無礼カー」並の無礼な電話やった。
一応話の進行上は後数話分で最終回を迎えるつもりでいる。しかしぶち切りはあかんやろ。だから簡単にできへんねん。だいたいこんなこと深夜にまで及んでやることちゃうねん。しかも明日朝早いしなぁ。君ら的にはもうやめたい言うことなわけ?あかんよ。
そもそもこの話ミルロ姫持ち上げ企画ではじまっとんねん。ここでミルロ姫ファンの心をわしづかみしておけば後は適当になんかおまけついてくるかもねーーーって思ってたわけやけど、どう考えてもこのままふたご姫…
ちょっと聞いてほしいことがある。今日はこれで最後にしとこう。
実を言うとふたご姫見るのに一人合宿を瀬戸大橋渡ってまでやってきた。
そのぐらいの根性を示しておきたかった。それが今になっては大変なことになってるわけですよ。もの凄い無駄。
って言ってもプリキュア第一段目の中盤までの高株価から一気に低迷したほどの致命傷ではないからまだええとしても、ふたごに萌え萌えやったやつ…今とってもショックを受けてると思う。とりあえず俺もその一人や。瀬戸大橋渡ってまでふたご姫にぞっこんやったあのときの勢いがないことはもう言うまでもないと言うことだけ言うとおくけど、責任は果たす。で、君らにはとりあえず最後まで気は抜かないでほしい。
以上!
本日はこれにて睡眠…いやいや解散!
ユークはとうとう決断を下した。
最初のシナリオはブライト王子とローマンを会わせる仲介をしブライト王子が月の国に行く途中で逮捕をもくろんでいた。
しかし一刻の猶予はなかったが協力者がメラメラの国だけと言うとてもお寒い状況だった。あえて今までの考えを捨てることにした。
そして代案を立てた。
メラメラの国に呼び寄せて逮捕すると言うものだった。
これにはリスクが伴った。それはユーク自体がメラメラの国の国民ではなかったからだ。さらにしずくの国がブライト王子の手に落ちていた。これは計算外であった。
それを知ったのはプリンセスサミットのだいぶ後だった。
しかし危険を承知で逮捕に挑んだ。
「これはこれはブライト王子よくお越しくださいました。」
「ほーこれは何があってなのか分からないが、最高だ。」
「以前にあなた様がやられたステージ是非とも再度やっていただきたいのです。」
「さすがは僕の魅力の分かる人たちだ。」
真相を知らないブライト王子、今更あれがぶーもが仕掛けた工作だったなんて知りもしない。その上一部で大不評のブライト腰振りダンスをもう一回やれとメラメラの国国王側近の者が言ったのである。ブライト王子はとても上機嫌である。
「僕のことをサミット開いて話し合ったそうじゃないか。」
「いえいえあんなもの相手にする必要はありません。」
「僕がプロミネンスを使ってしまえばこの星は僕のものになっちゃうんだよ。」
「そのときには是非とも…」
「どうした。私に従うというのか?」
「左様でございます。」
と、まーこんだけブライト王子をおだてる言葉が手でくるものかと陰に隠れていたユークは感心していた。しかも話の内容がとても逮捕しにいけるような代物ではない。
今ここにいるユークには「ブライト王子逮捕」の文字しかない。
何とかブライト王子を怒らせるようにしてもらわないと困る。
「しかしブライト王子も何を思ってふしぎ星の王にでもなろうと思ったんですか。」
「知りたいか?」
ここで側近は「機転を利かせる」という賭に出た。
むろんユークに対しての機転である。
「知りたくなんかないですよ。言っておきますが、最近私が勉強したことですが、あなたがふしぎ星を征服したって何も起きないんです。」
そこからは口のたつ側近の一方責め。
これによってまたユークは逮捕のタイミングを逃してしまう。出るに出られなくなってしまったからだ。と思った瞬間、側近が倒れた。ブライト王子のブーメランを近距離でまともに食らわされたのだ。
アルテッサとミルロはクリスタルマウンテンに来ていた。
「おかしいですわねぇ。確か夢で見た場所はここなのよ。」
「アルテッサ…」
「なによ。」
「疲れてるんでしょ。」
「んなわけないでしょ。」
「だって、私たちは夢でここと似たようなところで「水晶の天使」とお話をしただけなの。」
「そんなわけないでしょ。」
「でもアルテッサ…」
「何よ。」
「お兄様を何とかしたいの?」
「そうよ。昔の優しくてみんなに好かれる…とにかく今のお兄様じゃない…昔のお兄様に戻ってほしいの。」
「アルテッサ、あなたの王子に会いに行きましょう。」
「会ってどうするの?」
「あなたの気持ちを言葉ではない言葉で伝えるの。」
「何よそれ。」
「これよ。」
「…あなた私のお兄様をどうしたいの?」
「どんなことをしてでも気持ちを伝えるために行動するの。戦うことを悪いと思っちゃだめ。気持ちを伝えるためには時には戦わなきゃならないこともあるの。そういう戦いならいくらやってもかまわないと思うの。まず私、お母様に今の自分の気持ちを伝えてくる。」
「ミルロ…」
「アルテッサ…あなたが私をここに連れてくるためにしてくれたこととっても感謝してる。でもそれは本当は私自身でやらなきゃならないことなの。お願い。私を強くすると思ってこの願い受け入れてくれるかしら。」
「あー上等ですとも。でも負けてかえって半べそかいてきたら容赦しませんことよ。」
プリンセスサミットが無事行われ終焉した。
しかしユークは苦労した割にサミットの結果に不満を持っていた。そんなわけで彼は各国の執事達を招き飲み会と称していよいよ「ブライト王子を包囲して逮捕」のシナリオ完成を急ぐ事にした。
今のところ協力しているのはメラメラの国だけ。
さすがにこのことをサミットに参加したプリンセス達は未だ知らないが、その裏でユークが知らない事も起こっていた。
「アルテッサ、私に話って…?」
アルテッサはお忍びでしずくの国に再度来ていた。
「あなたの絵を見せて欲しいの。…そうじゃなくて」
「どういう事なの?」
「わたしの…よく聞いて。私のお兄様が逮捕されそうなの。」
「なんですって?」
「あなた夢の中であのへんてこな天使に会わなかったの?」
「ここのところそう言う夢は見てないわ。」
「どういう事なのよ!」
「わからないわ。」
「今すぐ私とクリスタルマウンテンに来て!」
「今すぐってそれはちょっと…。」
「なによ。あなたのお母様には私が言って何とかするから私と一緒に来て!」
「でもアルテッサ…」
「なによ。」
「何故クリスタルマウンテンなの?」
「何故って…そんなのどうでも良いの。とにかくあなたは今私の言う事を聞いて一緒に来ればいいの。」
アルテッサはしずくの国の国王に
「今本当にふしぎ星をどうにかするためにミルロの協力が必要なの」と言う説得を力業でやり倒し、なんとかミルロをクリスタルマウンテンにつれてきた。
「大丈夫だった?」
ミルロはアルテッサのおでこを見てそう言った。
「何ョあの分からず屋!説得するのに本当に時間がかかりましたわ。」
「私たちがクリスタルマウンテンに行って何が起こるの?」
「そんな事はどうでも良いの。今私がしたいのは…あのへんてこな天使に夢でなくこの目で会いに行くためよ。」
しずくの国
国王はヤムール。…と思いこんでいたユークはこのあと書いた手紙で一つの戦争状態を招いてしまった。ユークはこのたびめでたく彼にとっての表舞台である初のプリンセスサミットの議長補佐を行う事になり、サミットに関する全ての段取りを仕切っていた。
本当は「ブライト王子の逮捕」に躍起になりたいが、急に持ち上がった話で、各国の事について長けている彼以外、適任がいなかったためこれを引き受ける事になったその途中である。
さて、ユークは各国の王にサミットについての詳細を送っていた。無論しずくの国の国王にもそれは送られた。内容はまずまずだったが、しずくの国の国王は「ヤームル」だった。
「宝石の国の特別外交官のユークさん、あなたは各国の国交正常化のためにご尽力されているにかかわらずなんですかこのふざけた手紙は!私を侮辱しているのですか。」
「大変申し訳ございません。」
なんて感じの事が延々と続いていた。
悪い事にしずくの国の国王は宝石の国を水攻めで水没させるとまで言ってきたではないか。
ユークにはしずくの国王をきちんと説得させる手だてはなかった。しかしタダ転ばないのがユークの戦法である。その記事を大々的に書かせる事にした。その前に自分のところと、しずくの国以外の各国には「情報操作戦術通告」を送っていた。これは「今からデマを流しますので各国の国王並びに王族関係者の方は絶対に信用しないでください。」と言うものだった。
ユークは敢えて自ら茨の道を歩む事にした。
各国の新聞が
「ユーク、プリンセスサミット議長補佐おろされる。」からはじまり、
「ユーク、プリンセスサミット妨害図る。」と、ひどい物では
「ユーク、しずくの国に宣戦布告」とか
「ユーク、宝石の国の疫病神になる。」と言うものまで出た。
それに気分を良くしたのがローマンだった。
いや、他にもいた。
「ブウモ、とうとう私がふしぎ星のために」
「そうでぶも。」
ブライト王子だった。そして彼と一緒にいるブウモ。
「さぁブウモ、私の力を思い知らせる時が来たのだ。」
「良いんでぶもか。ユークはお前の忠実な下部でもあるぶも。」
「そんな事もあったな。しかしもうユークはふしぎ星の疫病神だ。」
しかし裏ではすでに執事級会談が行われていた。
しかもユークをサポートするという方向性を持った物だ。
それに応えユークはこの「大がかりな戦争」を説明した。
「わたしがしずくの国の国王の名前を間違えただけが事の発端ですが、そのあとでこれは使えると思ったんです。今私が本当にやらなくてはならない事は「ブライト王子の身柄拘束」です。正味な話、プリンセスサミットの議長補佐をやってる場合じゃありません。と大々的に言いたいのですが、何せプリンセスサミットです。やり遂げなければならない事は必死です。今回皆様にこのような会を開いていただいた事はとても重要な意味を帯びてくるでしょう。今の皆様は私が起こした「戦争」に荷担していただきます。表では私はもうふしぎ星の疫病神となっていますが、それはローマンと彼に荷担しようとしているブライト王子のあぶり出しです。」
いろいろな事について各国の執事達に説明を施し納得を得るまで弁論を尽くし、議論を尽くした。
一番反応が良かったのが「同盟」を組んでいたメラメラの国。
「あなたが己の身を切ってまでこのようにしてくださる事にいたく感激した。」
無論反応の悪い所もあった。
「あなたは勝手すぎる。」月の国であった。「ムーンマリア様が聞いたら絶対気絶物です。不愉快だから…」と言いつつ席を立った。
「ユーク氏は何を考えておられるんでしょう。」
「私にも分かりません。しかし事の要点は「ユークがしずくの国の国王の名前を間違えていた」だけの事です。」
「シェイド、どこへいくのです?」
「今から真実をつかみに行ってきます。」
城から出ようとしたシェイドの元にある男が立っていた。
「あなたはもしや…」
「いえね、各国の執事に今日手みあげ持たせて帰って貰うつもりだったんですけど、月の国の執事の方怒って帰っちゃった物だから。」
「今何が起こってるんだ。」
「あれ?手紙をお読みではないですか?」
「なんの事だ。」
「「情報操作戦術通告」の事です。簡単に言いますと「今から私に関しての事について大嘘を流しますよ」ってことです。」
「どういうことだ。」
「そう言う事です。せっかくなのでお話をさせてください。」
真実をつかみに出ようとしたシェイドの元に転がり込んできた真実。
シェイドが持っていた事実とユークが持っていた情報が一致した。
「もーなによー朝っぱらから。」
不機嫌そうに起きてきた。
全身黒ずくめでありながらかわいらしさが漂うパジャマ姿。クロミだ。
ローマンの「ユークのアホーー」で起きてしまったらしい。
「なんだ!」
「なんだじゃないわよ!何よ朝っから騒々しいじゃない。」
「私は今強靱な力を得ようとしている所なのだ!」
「ぷっ。」
「何がおかしい。」
「あなたいつパーマなんてかけたの?
だっさーー
死んでお詫びしてよ。」
「何故に!」
「何故にも奈倉もナコルルも無いわよばか。」
「何処で覚えたそう言う懐かしいって言われそうな単語。」
「何よ。韻を踏んだだけでしょ。」
「何がなんだか知らんが…起こして済まなかった。」
「何よ。なんでそんなに素直なの?」
「君に良い物をプレゼントしたいからさ。」
「この間みたいにナギーニョはお断りよ。」
「そんな事ありましたっけ?」
「とぼけないで。私の事馬鹿にしてるでしょ。」
「してないさ。そのきれいなほほに誓って。」
「はぁ?なにそれ。口説き文句?」
「何を言うんだい。」
「私はブライト王子一筋なの。とっとと私の所にブライト王子をあてがいなさいよ!」
「ブライト王子…そうだった!」
「…あのさぁ、この間ブライト王子一人で何やってたの?」
「何がどうしたって言いたいのかな?」
「ブライトカーニバルとかってやってたじゃない?」
「そうだっけ?」
「あれでメラメラの国のお祭りを邪魔させて…何がしたかったの?」
「…。」
「どうして黙ってるの?」
「あれは予想外だった。」
「それ言うなら想定外でしょ。」
「まー良いじゃないか。」
「だめよ。私の欲しいブライト王子はあんな馬鹿じゃないの。あんな馬鹿じゃ…私死んじゃう。」
「しかしブライト王子も結構たまってたんでしょうなぁ。まるでメラメラチャーハンでも食べたどこかのふたごみたいだ。」
「でもあなたの手下がやらかしたんでしょ。」
「だいじょうぶだクロミ。」
「どうして中途半端にひらがななのよ。」
「大丈夫だクロミ。」
「大丈夫って言えるのあれで。」
「もう一度洗脳をやり直せばいい。」
「もっと馬鹿になったらどうするのよ。」
そこへ手下が入って来た。
「ローマン様!大変です。」
「今こっちも大変だ!」
「失礼しました。」
手下はこの間指摘されたノックを忘れていたせいだと思いもう一度入り直す。
コンコン…
「ローマン様!大変です。」
「今こっちも大変だ!」
「失礼しました。…宝石の国とメラメラの国の軍隊が同盟を組みました。」
「そんな事はどうでも良い。」
「ブライト王子逮捕のために同盟が組まれた物かと思われます。」
「逮捕?あいつが何をしたというのだ。はっはーん。この間のブライトカーニバルが痛く好評で、自分の所のが不評だったからそれでか?」
「その詳細は分かりませんが、かの外交官が関与している模様です。」
「あいつかーーーーあのアホかーーーーーー」
さてそのアホ扱いを受けていた宝石の国の特別外交官のユーク、早急にブライト王子逮捕を進めるために大きな寄り道をしようとしていた。
ところが事が簡単に収まってしまった。
月の国と国境を接する「水量が激減していた」ある貯水池。そこに誰か作ったのかも知れない水門を閉めた所、水量が復活した。調査協力のために手配して貰ったタネタネの国の住民へ王様にこの事を告げ立ち会いをするように求めた。
貯水地に来た王様は
「こんな水門は見た事がない。」
と言った。
山勘が当たった。
月の国のある所がタネタネの国の貯水池の水を勝手に使っている。
そのあと元大臣がもっと暴走したのは言うまでもなかった。
「ユークのアホーー」
大臣…元であるがローマンはこの一言で朝を迎えた。
時間が立つにつれローマンのテンションが暴走機関車並みになってくる。
「見ておれユーク。貴様に苦渋を味合わせてやるからなーー」
「しっかしこれは苦いですなぁ。」
そんな頃ユークはタネタネの国で栽培を開始し収穫したという絞りたてのケールジュースを飲んでいた。
「何を言うタネ。このケールジュースはまだおぬししかのんでおらんタネ。」
「そうは言っても苦いですよ。…どうして僕を避けたような態度取ってるんですか。」
「いや、なんでもないタネ!」
「しかし、今日はお招きいただき本当にありがとうございます。」
「それはケールジュースを誉めてから言ってほしいタネ。」
「さて、今日は何故わたくしがここに呼ばれたのでしょうか。まさかケールジュースのためだけじゃないですよねぇ。」
「そんな事は無いタネ。」
「では如何様でしょうか。」
「それは、最近貯水池の水量が減っているタネ。」
「待ってください。全く意味が分かりません。何故私がここに呼ばれたかが。」
「それをなんとかおぬしから情報をいただきたいタネ。」
「そんな調査した事ありませんよ。以前におひさまの国のふたごのプリンセスがプロミネンスで解決済みのはずですよ。」
「よく知ってるタネ。」
「いろんなところで調査するのも私の仕事でありますが、宝石の国に関する事に限っての調査ですから…」
「だからそう言う事にするタネ。」
「強引だなぁ。…まー話には聞いてはいましたけどね。」
「なんか言ったタネか!?」
「いえ…。」
「じゃあ早速調査するタネ。」
「いっときますけど、わたしは宝石の国の特別外交官ですよ。」
「良いから早くするタネ。」
「もう一度言いますよ。」
「とろい話は聞かないタネ。」
「あなたの使いの者じゃないんですよ。」
「そんな事聞く暇は無いタネ。」
かくしてタネタネの国の貯水池の水量低下を調査する羽目になったユークだが、本当はケールジュースを飲んだり、貯水池の調査をしに来たのではない。ブライト王子の逮捕協力を依頼しに来たのだった。が、とりあえず早急に調査を行いその話を取り付けねばならなくなった。
が、心当たりがなかったわけではない。
あの大臣が「自分の国」を構えている所は実はマザーツリーから近い。何らかの形でタネタネの国の貯水池から送水が行われているに違いない…と踏んだ。
しかし真相をつかむまでには膨大な時間がかかりすぎる事も同様で、今のところ確かな証言者もない。そんな事をしていてはブライト王子の逮捕どころではなくなってくる。
大臣に苦汁を飲まされる前にタネタネの国の王様にケールジュースのおまけを食らったユークだった。