アルテッサ姫とミルロ姫が手紙を出して数週間後、メラメラの国ではカーニバルが行われる事になった。
そんな裏で手紙を受け取ったブライト王子は
片方の手紙には号泣し、もう片方では手紙をびりびりに破いていた。
「ブライト王子、良い案がありますぞ。」
激しく喜怒哀楽の渦中にいたブライト王子にブーモがささやいていた。
それはメラメラの国のカーニバルを妨害しようという物だった。
かくしてカーニバルは妨害を受けつつも行われたのだがこのカーニバルを半ば妨害されたメラメラの国の国王はいきなり宝石の国に抗議を申しつけた。いつもは終わりよければそれでよしとする国王だが珍しく根に持った形だ。
それを受ける事になってしまったのが宝石の国の特別外交官ユークだった。
ただただ己がやったこともないことで平謝り。メラメラの国の国王は謝るばかりのユークに納得がいかず「国王と直接対話がしたい」と申し出たそのとき…
「あっ。そう言えばあれがあった。」
「今度は開き直りか?!絶対許さんぞ!許さんぞ!!許さんぞ!!!」
「それではこれを落ち着いてお読みください。あとの事はこちらで話をつけておきます。」
「なんだこれは!」
と半ば宝石の国との戦争もいとわない勢いのメラメラの国王に落ち着きが出て来た。
「なんと!」
「つまり今のブライト王子はお尋ね者なのです。」
「そう言う事ならそなたの申しであい受けよう!」
ユークはとうとう大きな味方をつけてしまった。いよいよブライト王子は弐国間共通指名手配を受ける事になった。
気丈なプリンセス、アルテッサ。彼女は彼女なりで実の兄ブライト王子のさらなる変貌ぶりに落胆していた。外見はそういう風には見えなかったが、心の力でねじ伏せていた。
そこへまたあの夢を見る事になった。
「あなたのお兄様へちゃんと手紙は届いたようですね。」
「手紙?」
あってそうそういきなりなんの事かと思ったアルテッサだが
「でも残念ながらあなたの手紙の中身が帰ってきました。」
余計に意味不明な事を言う水晶の天使。
「せっかくですのでこの瓶に詰めておきました。」
「じゃあミルロの方はどうなの?」
「ミルロの方は分かりません。」
「なんで私じゃだめなの!」
「たぶんそれはブライト王子自身が嫌っていた自分を好きだった想いのせいでしょう。今のブライト王子は…」
「私の兄がどうだって言うの!?」
「よくお聞きなさい。今のブライト王子はあのままにしておくとふしぎ星の敵になってしまいます。」
「敵?」
「そうです。今日宝石の国とメラメラの国はそのことで話し合いをしました。」
「どうしてそれを。」
「あなたには心配をかけたくないのでしょう。しかしもうその動きを止める事は出来ません。」
「あなたにも?」
「もうじきかざぐるまの国にも働きかけをする事でしょう。」
「そんな…」
「もう少し私がなんとか出来るようにすればよかったのですが、事が偉く進みすぎました。」
「もう私の夢なんかに出てこないで。」
「アルテッサ…」
「もうどうして良いのか分からなくなったの。」
「アルテッサ。落ち着いてください。…あなたも似たような事をすればいいじゃありませんか。」
「どういう事なの?」
「ミルロと協力をするのです。最初に私はあなたとミルロをここに呼び出しましたね。」
「ええ、そうね。」
「純粋で強靱な力を与えたはずですよ。それも二人とも同じように。」
「どっかのふたごみたいなへんてこなのはいやなの。」
「そんな物じゃないって言ったはずですよ。私の与えた物はあなたが自由に使って良いんですよ。お兄様のために。」
「純粋で強靱な力…お兄様のために…」
「それを二人で合わせて使うとどうなりますか?」
「それは…」
「こんな事言うのはかのプリンセスグレイスにとても失礼ですが、プロミネンスなんて目じゃないんですよ。」
「それって私はすごいって事?」
「そう思って貰って結構ですよ。」
「私やるわ。お兄様をふしぎ星の敵なんかに絶対させないわ。」
「それでこそアルテッサ姫、あなたらしいのですよ。あなたはそう言う「がんばり」を効かせるのが誰よりの上手なのです。」
「なんだかいままでの鬱積が嘘のよう。でも何をしたらいいの?」
「ミルロに会いに行きなさい。それから考えましょう。」
「そうするわ。」