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「ふしぎ星のふたり姉貴」10話目「送信想念」にしようかなぁ。

またアルテッサ姫とミルロ姫は夢の中で同じ場所にいた。

アルテッサの方は兄ブライト王子を改心させるために調べ物をしていたが一向にらちがあかない。
ミルロ姫の方は手紙を書こうとするも書こうとした時点で胸がいっぱいになり言葉が出て来ない。
ふたりとも一種の八方ふさがりの境地だった。
そんなふたりが例のごとく夢の中で水晶の天使の元に招かれた。

「アルテッサ、最近探している調べ物については何か良い答えが出ましたか?」
「出てればもう何かやってます!」
アルテッサが怒っているのも無理はなく解決の糸口どころか自分の兄貴が名前を呼んでも振り向いてくれない。
「ミルロは、手紙の方はどうですか?」
「手紙を書こうとしてもどうしてもかけなくて。でもどうしてそれを…」
「それは…今は良いでしょう。ふたりには新たな力の使い道を教えましょう。」
「新たな…」
「力の使い道…?」
「…新たな力をまた与えるのではありません。使い道です。」
「どうすればいいの?」
「アルテッサ、最近あなたの心持ちもだいぶ変わってきたようですから今のあなたなら十分出来ますよ。まず、」
「どうするの?」
「ふたりとも手紙を書く用意をしましょう。」
「それはやっぱり手紙を書かなくちゃいけないことですか?」
「ミルロ、ここからがおもしろいことになるのですよ。」
「…どうするのですか?」
「手紙を書く準備をしたら、何も書かずに便せんを丁寧に折って封筒の中に入れましょう。」
「えっ?」
「どうして私が兄上に何も書いてない手紙を書かなくちゃならないのよ!」
「そこでいきなり封をしたらいけません。ここであなた達の力を使うのです。」
「…どういうこと?」
「文字通りあなた方の「心を込める」のです。」
ふたりとも意味が分からなかった。文字を書いても相手にその心が伝わるかどうかも確実ではないのに何も書かない手紙で何が伝わるというのか。ましてや悪い冗談にしか聞こえなかった。
「アルテッサ、あなたは兄上と水入らずの時を過ごした時のことを思い浮かべて封をしなさい。ミルロはブライト王子と甘い時を過ごす情景を浮かべながら封をしなさい。」
そこでふたりの夢はとぎれた。
by waruihito_iak | 2005-10-23 07:35 | ふしぎ星のふたり姉貴