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「ふしぎ星のふたり姉貴」4話目「宝石の国の特別外交官の話」にしようかなぁ。

ある男がおひさまの国に出向いていた。
宝石の国の特別外交官ユーク
彼は執事であるレミントに頼み事をしに来た。しかし彼はレミントには原稿しか渡さなかった。その原稿は「月の国と宝石の国の友好条約会議」とあった。

彼には一つの目的のためだけに会議を開く事にしていた。
表向きは「両国の交流のため」である。
しかし彼はある情報をつかんでいた。それが元「月の国の大臣」ローマンの全ての不正であった。そのローマンを絶対に幹部職へ就かせない様にする事が真の目的であった。
彼がこれを思いついたのは「しずくの国」で起こった月の国の大臣による政略結婚事件がきっかけである。いずれはその魔の手はどこかに及んでくる。
それを強固な物にしたのがアルテッサ姫が言っていた事だった。
「わたしもあんな坊やと結婚するのは絶対いやですわ。」

実質裏取引である。彼はそう位置づけて会議に臨んだ。
さらに直接ローマンと合う事にもした。が、彼は今や月の国に裏世界を作りそして治めているある種一国の王であった。ココでも表向きは「両国の交流のため」とし、真の目的は月の国の裏世界の滅亡である。

表向きの「月の国と宝石の国の友好条約会議」が始まり両国の王が共に調印を交わす。
そのあと夜遅くユークとローマンのテーブルを挟んだにらみ合いが始まった。その司会もレミントが勤める事になった。ココでレミントに司会を頼んだのは何もプリンセスパーティーの第一回目の司会を務めたからという訳ではない。武器を交わさない戦争をするために援軍の依頼をレミントに申し出たのだ。
単純な話、宝石の国+おひさまの国vs月の国の裏世界の王…弐対壱というわけである。
会議は会食の雰囲気で行われた。しかしデッドヒートはワイン一杯から始まっていた。と言ったところでタダのにらみ合いのような物なので食い倒し競争ではない。

「あなたが最近しゃしゃり出てる宝石の国の特別外交官のユーク殿ですか。」
「あなたが最近月の国に新世界なる物を建設したローマンさんですか。」
「あなたの事は良く存じておりますぞ。」
「何せあんなところから入ってきてびっくりしない人はいる訳はない物ですよね。」
「どうしてふしぎ星に?」
「最初はあるところで私の技術をほしがっている人が居ると聞ききまして…」
「しかしなぜ宇宙船でやってきて、いつの間にか宝石の国の特別外交官だ。あなたは技術を提供しに来たついでにこの星を乗っ取るおつもりでもおありですかな?」
「これは人聞きの悪い。私の場合は技術を提供する前にふしぎ星に必要でありなおかつ自らが提供できる物の答えを出したい…と王に申し上げたら外交官をやってくれないかと言われてありがたくお受けさせていただいただけですよ。」
「相当期待をかけてらっしゃるんですなぁ。」
「…私が開発した技術をちょっとだけお教えしましょうか。」
「良いのですかそんな事をこの場で話しても?」
「全くかまいません。」
「して、それはどういう物かな?」
「あなたが手に入れたプロミネンスの力を捻出できる物と同等のです。」
「なんですと?」
「私は将来、気球以外の移動手段をこの星に開拓する予定です。それの動力源にその技術を使います。」
ローマンは開いた口がふさがらない。
プロミネンスのような力を簡単に生み出せてしかもそれで何かを動かすだけでなく「気球以外の移動手段」などと相手がほざいた物だから云々ではない。なぜローマンがプロミネンスを手に入れたのかという事を相手が知っていたのかという事に驚きを隠せなかった。
「しかしあなたの持っているプロミネンスの力の方が幾倍か人の役に立つ。裏世界のね。きっと幸せなんでしょうなぁ。プロミネンスのある裏世界って。」
by waruihito_iak | 2005-10-04 23:42 | ふしぎ星のふたり姉貴